So-net無料ブログ作成
検索選択

マニラKTV悲話 その㉟ 愛よ再び・・・ [小説]

20130709_638930.jpg

一体、どれくらいの時間が経ったのであろうか?
優二は、病院ベッドの上で、夢を見ていた。
勿論、愛しのジュリアの夢である。
彼は、余りの腹部の激痛に耐えかね、とうとう意識を失って、車で病院に運ばれた。
が、優二は、未だにそのことさえ知らない。

夢の中では、ジュリアが優二に向かって微笑んでいる。
彼は、それだけで満足していた。
天にも昇る、気持ちで有ったのだ。
(おお、ジュリア、ジュリア・・・)
彼は、寝言にでも、彼女の名前を呼び続ける・・・

その時である。
右腕がチクリとして、その痛みで優二は目を覚ました。
目を開けると、そこには、白い制服を着たナースが、優二の腕注射を打っている。
『ここは、何処なんだ?』
優二は、思わず呟いた。

『ここは、病院よ、貴方はモールで倒れたよ、全然覚えてないの?』
ナースは、そう言うと、クスクスと笑う。
(ああ、そうだ・・・)
優二は、先程の事を思い出し、今の自分の衣服を確かめた。
着ていた服とは、違う服を今は着用している。

(ああ・・・、漏らしたんだった・・・)
そう思い出すと、顔に火が付いたように、優二は、急に恥ずかしくなった。
と、同時に、気を失ってくれて、助かったとも思う。
気を失わなければ、あのまま、恥を衆前に晒したことを、記憶に残さなければならなかった。
(そうだ、あの時ジュリアを見掛けたんだったっけ・・・)

優二は、それを思い出した瞬間、ベッドから飛び降りようとした。
今直ぐに、モールへ戻らなければと考えたのだ。
ナースが、驚いて、それを見て阻止するのかと思いきや、その反対側から一人の女性が、優二
の身体をそっと押さえながらこう言った。
『駄目じゃないの、貴方はまだ病気なのよ、じっとしていなきゃ・・・』

聞き覚えのある、声で有る。
優二は、声の聞こえた方を振り返った。
何と、そこに居たのはジュリアである。
彼女は、ニコニコと笑いながら、優二の顔を見詰めていた。
(こ、これは一体・・・)

優二は、何だか信じられなかった。
まるで、夢の続きではあるまいか・・・
その時、病室にジェシーが入って来た。
『ああ、優二さん気が付いたね、良かったよ、あなたあの時大変だったよ。』
『・・・・・・・』

ここは、ジェシーに代わって作者が説明しておこう。
猛烈な腹痛で、脱糞し気を失った優二だが、彼を探しに来たジェシーに依って、彼の車で病院
に運ばれた。
それを、一部始終、見届けていたのがジュリアである。
彼女は、優二が気を失う前に呼んだ声で、トイレから出て、優二が倒れるのを発見した。

事情が分からないまま、傍観していたが、やがて優二を探しに来たジェシーが、数人の人の手
を借りて、優二を車に運びこむのを見ていたのである。
そこで、思い切って、ジュリアはジェシーに声を掛けた。
声を掛けられたジェシーも、驚いたに違いない。
昨日から優二と一緒に探し続けてきたジュリアが、向こうから声を掛けてきたからだ。

兎に角、今は、病院へ一刻も早く優二を運ばなければならない。
ジュリアは、とっさの判断で、ジェシーに付いて行くことにした。
彼女はまだ、優二のことを愛していたのである。
道々、そして病院へ着いてからも、ジュリアは、ジェシーの話を熱心に聞いていた。
ジェシーは、洗濯屋さんからもだが、優二と約2日間付き合った所為か、事情を殆ど知っていた。

優二が、ジュリアのことを忘れないでいること。
まだ、愛してるということ。
浮気を本当に反省して、ジュリアに戻って来て欲しいから、ここまで探しに来たことなど、ジュリア
は、全部ジェシーの口から聞いてしまった。
ここまでされて、腹を立て続ける女も居ないであろう。

ジュリアは、痛み止めを打たれて眠り込んでいる優二を、愛しく見守った。
それから後は、前述の通りである。
『ジュリア、俺が悪かった、許して欲しい・・・』
ジュリアは、返事をする代わりに、ベッドに横になっている優二の唇と自分の唇を、そっと重ねた。
それを見ていたジェシーは、ニコリと笑い、そのままそっと、病室を出て行った。


続く・・・
nice!(0)  コメント(18) 

nice! 0

コメント 18

shiNji

優二さん、迷作者でよかったね。
https://www.youtube.com/watch?v=-JvCTWqpf74

ザ チェッカーズだな。
by shiNji (2014-12-01 08:28) 

パパ

ハッピーエンド?
by パパ (2014-12-01 09:04) 

moimoi

神示さん

もう傷心では無いのでは・・・(爆)
by moimoi (2014-12-01 09:04) 

moimoi

パパさん

そう祈りたいのですが、作者が許すのかどうか・・・(爆)
by moimoi (2014-12-01 09:05) 

たばちん

脱糞は必要なかったような気がしますが、タイトルは悲話なので仕方ないですかね?
一旦ハッピーにさせといて次はどんな試練が来るのでしょうか?
by たばちん (2014-12-01 09:14) 

moimoi

お束はん

だっふんだ!(爆)

フィリピンに、試練はつきものですね。

私も長いことこの星に住んでいますが、何も障害なくスムースに

事が運ぶことが無いような気がします。
by moimoi (2014-12-01 09:22) 

山奥屋

あまり単純なストーリーにすると、作者の方も読者も飽きてきて、段々間が明き出すし、波瀾万丈にすると広がりすぎて、作者の方がこんがらがって間が空くし、さてさて。

なが~~~~い目で見ていましょうね。(爆)
by 山奥屋 (2014-12-01 10:03) 

moimoi

山奥屋さん

おのと~りです!(笑)

私の苦労を分かっているのは、山奥屋さん只一人ですわ!(爆)
by moimoi (2014-12-01 10:11) 

いか

生きるか死ぬかの展開を期待してましたが(笑)

作者は犬小屋の制作に忙しいんです[exclamation]?
by いか (2014-12-01 10:20) 

moimoi

烏賊男どん

山奥屋さんの爪の垢でも、煎じて飲ませたい気分です。(笑)

犬小屋に、30日の禁固を言い渡す!(爆)
by moimoi (2014-12-01 10:28) 

Leo

今日から12月ですなぁ~~~(笑
by Leo (2014-12-01 10:40) 

洗濯屋

良かった良かった師匠、連載を ご苦労様でした。
ハッピーエンドで 終わりですね!(^^♪
\(^o^)/
by 洗濯屋 (2014-12-01 12:55) 

moimoi

雷音さん

今年も終わりですねえ・・・(爆)
by moimoi (2014-12-01 13:49) 

moimoi

洗濯屋さん

一応、完結ということで・・・(爆)
by moimoi (2014-12-01 13:50) 

提督

もう再開させましたか!?w
今週で終わらせようという流れ…か?
by 提督 (2014-12-01 23:11) 

moimoi

提督はん

>もう再開させましたか!?w

だから、まだ終わってまへんがな・・・(苦笑)

>今週で終わらせようという流れ…か?

多分、来週でひょ・・・!(爆)
by moimoi (2014-12-02 06:20) 

Leo

続いていないからぁ・・・

そっと唇を重ねてから病室を出て行く彼女の後姿を観てから
早くも2年の月日が経ち優二の任期満了,一時帰国が目前に迫った
ある晩のブルゴス通り・・・
「沈々食べる500ペソオンリー」と声を掛けてきたお姉ちゃん
普段なら無視するのだが聞き覚えがある声に振り向いた優二
そこにはボロボロになったポクポクジュリアが立っていた。

結末はこんな感じだなぁ!(爆
by Leo (2014-12-02 09:12) 

moimoi

雷音さん

酷い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
by moimoi (2014-12-02 09:30) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。